3-1.
いわく、我々は、空にて生まれ、地に落ちた。
いわく、いつの日か、空に帰るために、我々は尊くあらねばならない。
いわく、大いなる意思、海、そして母胎樹に還ることが最上の喜びである。
いわく、そこで我々は、一つになることができる。
いわく、その時のために、己のケガレを見つめなければならない。
いわく、目を、心を常に空に向けて、暮しましょう。
いわく、それが地に生きる私達の、最上の喜びなのです。
それは、リーフレットに印刷された、ただの文字のハズなのに、モクドクしてると、心が、安らぎ、そして、眠気がやってきた。ツグが電池を出して来て、ゴソゴソしてる…今日は、もう勘弁して欲しい。
4.
「急なお願いで悪いけど、ユラちゃん上がってくれないかしら?」
出勤すると、パンク調のオカマ店長に声をかけられた。
「バレてました?ちゃんと演技しているつもりなんですけど…体調とかもだけど、【省略】れないんですよねー。」
「そうじゃなくて、この店の代表としてユラちゃんにあの街に上がって欲しいの。」
今更だけど、私の名前はユーラだ。皆、省略して「ユラ」って呼ぶけど。
「あの街に上がるって、どういうことですか?」
「うーんとね。ユラちゃん知らなかった?定期的に、この街から、あの街に、人が上がっていること。」
「なんとなくは知ってましたけど。」
「それで私達の業界からもね。1人選ぶのだけど…。」
色々聞いて、「考えさせてください。」と言って、仕事に入った。